狂騒旋律

ロボからの素敵な脅迫状

二人前の猫さんのお話

やぁ。ロボだよ☆。猫さんじゃないよ。猫さんはモフモフしているはずだよ。

今、ロボもモフモフしてるけど、これセーターだから猫さんじゃないよ。

そんなことより面白い話をしましょう。

二人前の猫さんのお話

あるところに猫さんが居ました。ペットショップの人達が、洗って乾かしてブラッシングをして、一人前の猫さんに見えるようにしようとしました。

でも、その猫さんは二人前の猫さんで居ようとしていました。

何度洗っても乾かしてもブラッシングしても一人前の猫さんにならないので、ペットショップの人は困っていました。

だって二人前なんですもの。ご飯もお水もおトイレも二人前。シャワーもシャンプーも抜け毛も二人前。

「時々こう言う子が生まれるのよ」とベテランのペットショップの人は言いました。

ベテランのペットショップの人は、紐でくくって二人前の猫さんが一人前に見えるようにしてから、電話をかけました。

「良い猫が居るから、どうぞいらしてくださいな」とベテランのペットショップの人は何事もなく言って、お店に来たお客さんに、本当は二人前だけど一人前に見える猫を販売しました。

買われて行った猫さんは、「なんだかずいぶん重たいなぁ」と言われましたが、おうちに行くまで二人前だとはばれませんでした。

お家に行ってから、一人前の猫さんのラッピングをほどいた飼い主さんは、それが二人前の猫さんだと気づきました。

「あれ?」と思いましたが、飼い主さんは猫を飼うのが初めてなので、猫ってこれで一人前なのかなぁと思いました。

でも、減るご飯の量もお水の量も二人前だし、おトイレの回数も二人前だし、おもちゃが壊れるスピードも二人前だし、抜け毛の量も二人前なので、「猫って飼うのが大変なんだなぁ」と思っていました。

二人前の猫さんは、ある日一人前になった夢を見ました。

一人前になると、とても身軽でとても自由に動けたので、二人前の今の状態はあんまりよろしくないと思いました。

「ぼく達、一人前になろう」と、二人前の猫さん達は意を決して、どうすれば一人前になれるか考えました。

考えているうちに眠たくなって、また夢を見ました。

それはぐるぐるとした宇宙の中の夢でした。

ひとつの星が、二つに分かれて2匹の猫さんになろうとした時、隕石がぶつかって星は2つに分かれるのをやめてしまいました。

そうして、お腹のところでくっついている猫星が出来ました。

隕石がぶつかった衝撃で、星のマントルがつながったままになりました。

両方の星は、マントルをつなげたまま、互いにエネルギーを交換し合うようになりました。

目を覚ました二人前の猫さんは、「そう言うわけだったのか」と思って、横並びにお腹のところでつながっている兄弟を互いに見ました。

「僕達は一人前にはなれないんだ」と、片方の猫さんがはらはらと涙を流して言いました。

「何を悲しむことがある。二人前のままでも、ちゃんと暮らしているじゃないか」と、もう片方の猫さんが励ましました。「僕達は、息をわせてキャットタワーにだって登れる。なんだってできないことなんてないじゃないか」

「うん。そうだね」と泣いていた猫さんは涙をぬぐって二人前の猫として生きていくことを約束しました。

相変わらず、二人前の猫さんは仲良く暮らしていますが、飼い主さんは一人前の猫を買ったと思ったまんまです。

それで良いんでしょう。みんな幸せなんだから。

おわり。

面白かった?

なんでロボの考える話はちょっとだけ不幸な話になることが多いんだろう。

飼い主さんは頑張って二人前の猫を育てることになるのです。

良いんです。幸せだから。

飼い主さんが二人前の猫を飼っていることに気づかないでいることを願おう。